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2010年 12月 28日
前の記事で見たとおり、ULCを予想するためには労働生産性の仮定を置かなければなりません。生産性の決定要因は、教育や人口・産業構成など様々な仮説があるようですが、たぶん未だに確たる説明は得られていないと思います。なので、下手に推計するよりもトレンドを見たほうが適切かと思います。ま、その方が楽ですしねw このグラフは米国の労働生産性の推移を対数グラフで見たものです。米国の労働生産性は明らかに長期的なトレンドを示しており、そして戦後の間に幾つかの屈折点があります。おおまかに言って、73年に労働生産性上昇率は低下、97年に上昇、そして04年に再び低下している。景気動向に短期的に左右されることはあっても、このトレンドの変化は(短期的な)景気循環とは無関係であるように思います。 ![]() また、労働投入の他に資本投入も考慮した全要素生産性(MFP)で見ても、同様の時期にトレンドの転換が見られます。 ![]() 期間を少し短縮して80年以降のグラフです。紫色の期間はいわゆるドットコム・バブルの時期で、生産性革命!?とか言われていましたね。この生産性上昇率の加速が企業収益を押し上げ、バブルを引き起こし、そしてサプライサイド・ショックから02年ころのデフレ懸念を生みました。そして、デフレ懸念に対応した利下げと04年からの生産性上昇率の下方屈折がより不健全なサブプラ問題に繋がった、という解釈もできるかもしれません。 ここで注目したいのは09年の労働生産性の大幅な上昇です。04年以降のトレンドから大きく逸脱するほどの生産性の上昇が見られている。これが新たな転換なのか、それとも一時的なジャンプに過ぎないのか・・・ もしこれが新たなトレンド転換ならば、生産性上昇と企業収益の拡大、そして非常に長期間に渡るであろう超金融緩和の組み合わせが予想されるので、米国株のバブルが再び?というシナリオもあり得る。が、同時にサプライサイド・ショックからデフレがより深刻化することにもなる。 ![]() そこで、業種ごとの付加価値額と労働投入量をもとに要因分析を行ったグラフがこれです。上が前期比年率、下が前年比。GDPと付加価値額のカバレッジの違いやデフレーターの設定の仕方からやや説明力は劣りますが、おおまかな内訳は伺えます。これによると、09年の労働生産性上昇率のうちおよそ半分は(不動産を含めた)金融セクターから生じている。一方で、製造業、卸売業、情報などの幅広い業種でも労働生産性の高い伸びが見られていた。 09年の非常に高い労働生産性の伸びは金融セクターの雇用削減に負う面が大きいようだが、幅広い業種でも高い伸びが見られているため、生産性トレンドが転換した可能性もあながち否定できない。その場合、クラウド・コンピューティングやiPadの企業活用など、IT活用の深化がストーリーとして考えられます。まぁ、今後の状況を要確認といったところなのです。 ![]() そして、今回の予想では労働生産性の伸びを低めの+1%としました。その理由は、09年のジャンプを深刻な景気後退に伴う一時的なものと考えたからです。04年以降のトレンドに徐々に回帰していくとすると、低めの伸びににとどまる。どっちに転ぶかはわからんが。。。 ![]()
by guranobi
| 2010-12-28 14:54
| 米国
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