2010年 12月 13日
米国のFlow of fundsが発表されました。あまり変化はなかったと思いますが、気づいた点をごくごく簡単に。 まず米国債の保有状況ですが、海外の保有意欲は活発ですね。前回教えてもらったTICデータによると英国(88 bil)と日本(80 bil)の買いがメインのようで、英国経由のオイルマネー?中国かなぁ。中国の(直接的な)買いも23 bil ほどあるが、多くはない。 Monetary AuthorityすなわちFEDが再び買い手となっているが、これは次に見るMBS・エージェンシー債の減少見合いの買いだろう。また、家計/NPOの買いが細っているのは"質への逃避"が収まりつつあるのかもしれない。 ![]() つづいてエージェンシー債およびエージェンシーMBSの保有状況。 FEDの保有が減少しているのはもちろん売却したわけじゃなく、期限前償還によるもの。また、投信(Mutual Fund)の買いが加速しているように見えること、そして家計/NPOが水準は極めて低いが保有を増やし始めていることも市場環境が落ち着いてきていることの現れかも。色メガネですか?w ![]() 社債・外債の保有者(左側)と発行体(右側)。ここにはサブプラ関連の汚物がおそらくは含まれていて、右側の発行体のうちABS発行体によるものがそれ。着実に減っているがまだまだ243 bilも残っている。 一方で非金融法人の発行は引き続き活況で(右上)、これに対応するように商業銀行の保有が大幅に増えている。Q1に見られたような会計制度変更に伴う特殊要因もなさそうなので、これは純増と考えていいだろう。腐臭を抱えつつも銀行部門がリスクテイクし始めているのならばQE2が成功する兆しかもしれない。銀行のcharge off rateも下がっているみたいだし、11月までのデータを見ると資産圧縮もようやく終わったのかもしれない。11月には国債・エージェンシー債の保有が減ったのかぁ。何ヶ月ぶりの減少なんだろう? この社債増加の動きが貸し出し増に波及し、そして保険・年金などの限界的金融部門の社債保有が増加に転じるならばさらに心強い。 ![]() モーゲージの保有者の内訳。商業銀行は引き続きモーゲージを圧縮している。まー、リスクテイクといってもセクター、仕組み、満期、様々あるわけで減らしている分野も当然ある。 ![]() 改めて怪しく思えるのはABSのモーゲージ保有の減り方がとても安定していること。四半期ごとの増減を見るとこんな感じで、定規で測ったように減っているわけじゃないんだが、、、金利リセットの度にフォークロジャーに計上されているからかな?だとするともう暫くすると再び減少ペースが加速するんだろうか? ウィキリークスがBACの資料を公表したら一気に減っちゃうのか? ![]() そしてホームエクイティローンの残高の対可処分所得比の推移。これも安定的に減っています。Q3の減少は年率81 bilで、可処分所得の同▲0.7%。消費・雇用の抑制要因だと思うんだけどな~ ![]() たぶん、月次・週次のデータを詳しくフォローするとまた違った側面が見えるでしょう。また、FOFの切り口ももっと他にあると思うんですが、、、ナマケモノなのでご勘弁を。 ■
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by guranobi
| 2010-12-13 02:45
| 米国
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