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2010年 09月 26日

尖閣諸島問題・・・友人との昔の会話

尖閣諸島問題が一気にこじれて民主党政権の腰砕けに終わってしまった。
てか、まだ問題は再燃する(再燃させる)可能性は十分にあるだろう。


3-4年前だったか、沖縄出身の中学・高校以来の友人2人と飲んだ。
そのときに、尖閣と沖縄の問題について話したことを思い出す。

彼らは、尖閣は日本領だし沖縄も日本であることを疑っていなかった。当たり前だが。
だが僕は、尖閣も沖縄も中国との間のグレーゾーンだと言った。

サンフランシスコ講和条約の締結前、すなわち日本が独立を回復する前に寝込み強盗のように武力占領された竹島は、江戸時代から日本が実効支配していて明白な日本領だが、尖閣は怪しい。

京都大学の井上清教授の論文「「尖閣」列島--釣魚諸島の史的解明」で指摘されている通り、琉球政府は尖閣を琉球領とはみなしておらず、日清戦争直前まで琉球を含めて日本が実効支配した歴史はない。

確か鄧小平だったと思うが、この井上説を中国首脳は把握しており、日本とのトップ会談の際にも触れている。中国はしっかりと戦略を練り、尖閣を狙っていたことは明々白々だった。
その手段が、問題の棚上げ、グレーゾーンの設定だと思う。境界線を明白にせず、相手国との力関係が逆転したと判断するや強硬手段で奪う。

ところが、、、グレーゾーンは尖閣だけではない。中国は沖縄もグレーゾーンと捉えていると思う。
中国は公式文書でも、公式発言でも沖縄を日本領土と認めたことはないはずだ。朝貢貿易の歴史を使って、琉球が中華帝国の一部であるとの主張を行って来ると思う。朝貢貿易を行っていたのは韓国もベトナムもそうなんだが、まー、チベットと同じようにするつもりだろう。
中国から見れば、米国にとってのキューバ、それ以上の脅威を感じる地政学的存在なんだから、手段を選ばずにやってくると思うべきでしょ?

・・・という話をしたら、彼らは「そしたら俺らはどうなるん?」というので、「中国の55番目だか56番目だかの少数民族になるんじゃない?」と答えた。彼らには冗談に聞こえたかもしれないが。


中国との付き合い方は、グレーゾーンを残さないことだと思う。曖昧さは侵略される余地を与えるだけだ。
その飲み会で僕が出した解決のための提案は、「中国が沖縄を日本領土と認めることを条件に、尖閣問題を国際司法裁判所にかける」ということだった。日中間のグレーゾーンをできるだけ小さくするために。たとえ裁判で負けても、紛争の種をなくすほうがどれだけ良かったか。そして沖縄の人々を守ることができた。


だが、、、そのチャンスはもうなくなったようだ。中国は司法裁判所にかけるという提案を逆手に取るかもしれない。中国がここまで大きくなったあとに問題解決に向かっても、圧力に屈したとの印象を内外に与えるだろう。

そもそも、中国の台頭と武力外交は見えていたのだから、将来を見据えた問題解決をするべきだった。
今回の船長無罪放免wは民主党の失策だが、尖閣問題を放置し続けたのは自民党政権だ。この問題については自民は批判する資格がないと思う。


中国が力の空白を埋めるために武力行使を躊躇しないことは、フィリピンから米軍が撤退した後にスプラトリー諸島に軍事進出したことからも明らか。真性バカのポッポが日米関係に亀裂を入れ、日中のGDPが逆転したチャンスを見事に活かしたといえる。

現状維持と権力に固執するばかりで、将来を見据えた判断ができない政治家を持ったことが不幸だ。

by guranobi | 2010-09-26 17:49 | 中国


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