2009年 08月 20日
このようなOPECの行動は価格維持のための減産であり、たぶん、寡占として捉えるのが適切じゃないかと思うんです。 寡占の観点からOPECの行動を分析したものを探したところ、英語だといくらでもあるんですが、日本語はあまり見つけられず。 OPEC and World Crude Oil Markets from 1973 to 1994: Cartel, Oligopoly, or Competitive? ここでは、OPEC(あるいはOPECコア、あるいはサウジアラビア)の行動を様々なモデルで説明し、そのモデルを統計的に検証しています。優越生産者(dominant producer)モデル、クールノーモデル(寡占モデル)、完全競争モデルを使っているんですが、、、例によって詳しいことは理解できませーん。この論文ではサウジを優越生産者とする場合のみ有意性が認められるようですが。。。 クールノー・モデルによるOPECの価格政策のモデル化はこちらにも。81ページ以下。こっちが簡単。検証なしだしw Strategies and games: theory and practice クールノー・モデルについては、こちらなどを。つっても、私もむかーし聞いたことがあるかなー、という程度できわめて曖昧な理解でしかないのです(^^; ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 経済学的な検証は全く無視してw、自分の妄想のお話を続けましょう。 クールノー・モデルは、有力な生産者がお互いの生産行動を事前に知っていて、供給量を決定するパターン。相手の行動を探りながら供給量を操作し、結果的に高い価格を維持することでより高い収益をともに得る、という感じかな。 これが、商品の代替性が高く、かつ生産能力が十分に高い場合には、生産者の決定は供給量ではなく価格となり、価格競争に陥る→ベルトランの罠 日本の電機メーカー/量販店なんかはこのパターンでしょうか。 石油市場はOPECが生産枠(quota)を決めている。クールノー・モデルっぽいです。 私の理解は以下のようなものです。 石油市場には、OPEC、あるいはNOC(国有石油会社)があるし、IOC(国際石油会社)や中小の生産者がいくらでもいる。そのなかでOPECあるいはサウジとクウェートが優越的な地位を持っていて、自分の生産量を決めることで価格決定権を持っている(price maker)。それ以外の生産者は、OPECの影響力のもとで市場で決められる価格に基づいて生産量を決める追随者(fringe producer)である。つまり、後者はprice takerです。
by guranobi
| 2009-08-20 00:32
| energy
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