グラの相場見通し

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2009年 08月 20日

石油価格について・・・①

さて、前フリでご紹介した石井彰・藤和彦両氏の書籍は初心者の私にはとても参考になります。

石油や天然ガスがケロジェンと呼ばれる有機物が熟成したもの(有機成因説)だとか、一般に天然ガスは石油よりも堆積深度が深く、今後の新規発見の可能性が高いとか、なーんも知りませんでした。

しかし、どーしても気になることが2つあります。ひとつは両氏の著作に共通して「石油価格は国際市場で決められており、OPECには価格支配力がない。」という主張がなされていることです。

そんなことなくね、と思うのです。

そして、もうひとつは両氏に限らないことですが、「OPECが望む価格帯には上限がある。なぜならば、高すぎる価格は新エネルギーの開発を進め、結果的に石油への需要を抑制することになるからだ」という説です。
しかし、オバマ政権のいわゆるグリーン・ニューディールや、G8・中国・インドなどが大気中CO2濃度の450ppm上限に合意した以上、新エネルギー開発は不可避。だったら、OPECとしては高すぎる石油価格を気にする必要なくね?ということです。

まぁ、いずれもどっかで指摘されていることだと思うんですがw

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OPECの価格支配力から。
昨年後半からの需要急減に対応して、OPECは減産をしています。しかし、米国・カナダなどは減産してません。ここでおかしいのは、原油の生産コストが並はずれて低いOPEC、特に中東産油国が減産の大部分を担っていることです。完全競争のもとでは、限界費用が高い企業/設備から生産を減らしていくはずなので、本来なら米国などの生産が真っ先に減るべきなんじゃねーかな、と思うのです。

参考までに地域別の採掘コスト(Lifting Costs, 探査コストを含まない)。ただし、この米EIAのデータは注意が必要。ひとつはEIAの財務調査(FRS)対象である米企業のみを対象としていること。つまり、外資に通常の原油開発を開放していないサウジとクウェートが含まれていないので、中東のコストはさらに低い。もうひとつは、天然ガスを含むこと。そのため、FSU(旧ソビエト)特にロシアは、コストが低く出ている可能性が高い。
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これに対してEIAの短期予測によれば、2009年2Qでの世界の原油生産は日量200万バレルの減少。ところが、OPECはこれを上回る240万バレルの減産を行っている。なぜなら、米国と旧ソビエトが増産しているから。おかしいでしょ?2Qの平均原油価格はブレントで59ドル。この原油価格は米国の生産コストを明らかに上回っている。
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by guranobi | 2009-08-20 00:31 | energy


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