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カテゴリ:日本経済( 17 )


2010年 09月 05日

総選挙から1年

単なる愚痴です、多分。

1年前の総選挙のときに、友人が立候補するというのでささやかながらお手伝いをした。その時の経験と感想を民主党・・・という記事に書いたんだが、国会議員様になった彼は一新会倶楽部に所属し、今頃は権力ゲームを楽しんでいるんだろう。権力争いが楽しいもんだというのは僕もちょっと分かるんですがw

この記事の中で鳩山が政治的に無能だと書いたんだが(正直に言えば、単に”バカ”と書いた)、今は、それと同じくらいの確度で管が政治的無能だと判断している。

管は政局で使えるキャッチフレーズを探しているだけで、問題の本質を一切理解しない、というかできない。
鳩山がキャッチフレーズを自分の中で思いつくのに対して、管は本質を理解出来ないので、簡単に人の意見に影響される。それだけの違い。

仙石政権なのかもしれんが、仙石の経済に対する理解にも非常に疑問を持っている。

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で、小沢だが、、、政策を語る以前に、彼は大事なことが分かっていない。

政治家はすべからく権力者であり、権力を国民から預かっている。そして政治家は権力にふさわしい者であることを国民に説明する義務がある、と僕は考える。

政治資金収支報告書の記載義務違反について推定無罪をもって小沢を擁護する論者がいるが、彼は司法の場に出ることだけが問われているわけではない。不動産の購入原資、解党時の政党交付金の行方、様々な疑惑があり、小沢は十分に説明していない。

法に触れなければ何をやってもいいのか?ホリエモンの倫理観を批判した人々は、その時以上に小沢を批判するべきだ。法律を作る政治家にモラルが求められるのは当然なのだから。小沢が権力を志向するならば、自らに向けられた疑惑を受け止め、自ら説明するべきだ。

マスコミの前で話したと言っても、質問を1社1問に限定していては質疑とは言えないし、そもそも国会で語るべきだ。


・・・それは理想主義だという人もいるだろう。
だが、建前を理解していることと、建前すら理解していないことは違う。

TVによく出る三宅のじーさまだったか、政治評論家の言っていた話。
「角栄をさんざん批判していたが、実際に角栄にあった時に礼儀として『批判して申し訳ない』と言ったら、角栄は『いやいや、あんたは批判するのが仕事。政治家は批判されるのが仕事だから。ガハハハ』と言われた」
というのがあった。角栄が腹の底でどう思っていたかわからんが、少なくとも建前を理解していたということだ。

小沢は建前を理解していないか、まるっきり無視しているんじゃないか?

参政権にまつわる憲法無視、国民主権の侵害もそうだ。


政策についてだが、ニコ生をざっと見た限り、小沢は経済に関心がない。「経済は難しい」という発言は、やる気の無さの現れ。
雇用問題についても地方への一括交付金で対応するらしいが、要はカネとともに対策の責任も地方に丸投げ。しかも、大幅に削減したカネでw もしかしたら地方交付税で補うつもりかもしれないが、それは一括交付金で地方の裁量を増やすように見せて、実は中央の権限を増やすことに他ならない。

たぶんね、小沢が政権をとって撃ち出す経済政策は”目くらまし”ですよ。証券化を含めてね。さしてやる気もなければ、関心もない。真に受ない方がいい。

管が続けてもデフレ脱却も、財政再建も、経済成長も、円高対策も期待できない。変えなきゃいかん。だけど、それが小沢でいいのか?というのはヒジョーに疑問です。


人間は神様じゃないんだから不得意な分野があって当然。経済が不得意だとしても、それを任せられる人物を見つけなきゃいかん。鄧小平にとっての朱鎔基、ブレアにとってのブラウン、他は、、、知らない。
小沢が誰を経済閣僚に持ってくるのか、人事に注目しますがあまり期待できない。

小沢を信用して報われるものはないと思うんだが、大丈夫かね。
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by guranobi | 2010-09-05 19:18 | 日本経済
2010年 08月 28日

つぶやきみたいなもの

guranobiの名前でtwitterにつぶやいています。
政治とか経済で思いつくことを書いてますので。

ただ、僕は相当に気分屋なので、このブログもtwitterも更新が突然に止まることもあります。
というか、必ず中断しますw

バーナンキについては記事を書くかもしれません。
彼の講演について洞察があるのは、いつもパクらせてもらってるCR氏の記事(で紹介されているWSJの記事)。

バーナンキは彼のスタイルとして合議制を尊重しているが、他の理事がインフレを懸念して出口戦略に軸足を置いている。一方で、ジャクソンホールでの講演は彼のホンネに近い。その意味で、日経記事のタイトル「追加緩和検討」というのは、あながち間違いではない。この記者は誤解しているとは思うがw

バーナンキは追加緩和をしたい、しかし、FOMC内の議論を主導するのは自分のスタイルに反する(し、その自信もない?)。


またもやCR氏の記事では、センサス関係の雇用が8月分で11.6万人減るらしく、8月雇用統計はマイナスに。これがFOMCの議論の方向性の決定打になるかもしれん。
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by guranobi | 2010-08-28 21:37 | 日本経済
2010年 08月 21日

長めのつぶやきで

デフレ脱却国民会議には大いに期待してます。
が、期待と同じくらい諦観もしてます。残念ながら。

デフレ脱却が必要なのは明らかだが、その正論を言っても、国会議員は動かないと思うので。

国会議員、特に民主党の議員は自分のアタマで考えるよりも、ヒラメのように執行部を見るか、あるいは有権者の顔色を伺っている。
執行部がデフレ脱却の必要性を認めないならばデフレ脱却法案に反対するだろうし、また、有権者が「デフレ脱却ってインフレでしょ。だったらイヤだなー」といえば、やはり反対に回る。

イヌなんですよ。
好かれたい一心でしっぽを振るイヌ。自分の意思は持っていない。

小選挙区制の弊害なんですよねー
執行部に睨まれたら公認が”貰え”ない、カネが来ない、支援も受けられない。
だから小沢に媚びる。そこに理念も理想もない。政治的な使命感も意志もない。

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話が飛ぶように見えるかもしれませんが、外国人参政権って国会議員のリトマス試験紙だと思うんですよね。

外国人参政権って、法律だけで成立したら憲法違反ですよね。15条に反する。
もし永住外国人に参政権を与えたかったら憲法を変えるべき。
憲法を変える権利は国民にしかない。そして、憲法改正の権利こそが国民主権の根本。

民主党、というか小沢は憲法改正せずに外国人参政権を成そうとしている。国会法を改正してまで。

それって、国民主権の侵害でしょ

なのに、民主党の議員の大多数は外国人参政権に賛成している。国民の権利を侵害することもお構いなしに。
外国人参政権に賛成している民主党議員はイヌだ、ということです。彼らは執行部の意のままに票を投じる機械だということ。

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国民会議というネーミングはGJなんだけどw
そういう正攻法な活動よりも、執行部を落としたほうがいいよ。
小沢であれ、管であれ?

それにしても、喜美はいいなー
権力志向なのかもしれないし、エキセントリックなところはあるけれど、
デフレの問題を理解しているみたいだし、使命感も感じるよ。
10.08.20 渡辺喜美代表 記者会見 1/2
10.08.20 渡辺喜美代表 記者会見 2/2

ああ、グラは意志を持ってましたよ。
彼女は犬だったけど、イヌじゃありません。
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by guranobi | 2010-08-21 02:24 | 日本経済
2010年 07月 25日

日本財政のシナリオ ⑤ 年金抑制の必殺技w(訂正あり)

あー、下の前提では実質10年債利回りと実質GDPは+1.5%で同じと仮定してます。
過去の状況からも、実質10年祭利回り=実質GDPというのは、BOJの買い入れ効果を仮定しているわけっす。非常に、エイヤーですが。
また、高齢化による社会保険費の増加も反映済み。ただし、歳出抑制によって1人当りの実質報酬は医療・介護部分は緩やかに減少(年率▲0.2%)、年金の実質報酬は変わらずとの想定。

それと、GDPデフレーター1%と3%のどっちが非常識かは自分で判断しろってことで。
みん党の政治的キャッチフレーズは割り引いて見たほうがいいんじゃね?
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ちなみに、GDPデフ1%と3%では大した差は生みません。デフレ脱却か否かが重要なのであって、脱デフレのあとのインフレ率の差にはさほどの違いがないのは当然だと思うが。
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高橋洋一はおそらくはみん党のブレインでしょう。
ただ、彼は(佐藤優と同じくw)鳩山を称揚していたので、僕は彼の洞察力には疑問を持つようになりました。

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それと、財政再建に非常に効果的なのは物価スライドの対象物価の見直しです。
消費者物価とGDPデフレーターは年間0.4%の差があります(当然、GDPデフのほうが低い)。対象物価を消費者物価からGDPデフに変更する(あるいは消費者物価の上方バイアスを是正する)ことで、年金部分だけで下のような抑制効果が発生し(単位:兆円)、その累積効果は2040年までの30年間で160兆円、現在価値では120兆円の効果がある。これはGDP比で国家債務を25%抑制することになる。

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この部分、訂正します。

年金のPV120兆円の抑制効果とは、年金支払額全体のことでした。
なので、公的負担1/3のもとでの国家債務抑制効果は8%、同1/2のもとでは12%となります。
失礼しました。

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この間の1人あたりの年金支払額は、変更前と比較して30年後で12%ほど減るが、年金受給期間が30年に及ぶ人はあまりいない。個人ベースでは無理な話ではないし、年金支払額の直接的削減よりもはるかに政治的にやりやすい手段だと思うが、いかがw
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by guranobi | 2010-07-25 06:13 | 日本経済
2010年 07月 24日

日本財政のシナリオ ④

次に日本の財政動向のシナリオを考える。

ここでのファクターは、①歳出②税収③デフレの3つ。
①歳出は、H22年度と同じGDP比のバラマキ・シナリオと、3項目のみの歳出削減シナリオ。
歳出削減シナリオは民主党が政権を追われるかもしれないH26年度以降、以下の3項目で削減。
・地方交付税(GDP比3.2%、H22年度3.8%、H18年度3.3%)
・社会保険以外の社会保障関係費(GDP比1.1%、H22年度1.5%、H18年度0.8%)
・その他経費(GDP比2.0%、H22年度2.4%、H18年度1.6%)

ちなみに、H18年度は小泉政権の最終会計年度であり、この歳出削減シナリオは特別に厳しいわけじゃない。

②歳入と③デフレは関連させる。
デフレはGDPデフレーターが-0.5%一定、脱デフレが+1.0%。

デフレと脱デフレの所得税・法人税の税収シナリオは以下のとおり。デフレ脱却によって課税ベースが拡大、また、累進税率に拠る自然増収が生じる。デフレ下では法人税の課税ベースも増えない、ってことで。
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脱デフレの法人税収/GDP比が3.2%と高まるのは、経済財政白書の分析を拝借したもの。法人減税によって法人税収が名目GDP比3.5%以上になると考えるのはおかしくないし、この想定は控えめですらある。
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また、②歳入のうち消費税は5%継続と、2015年10%、2020年12%。

とすると、3つのファクターのもとでの債務(公債残高/名目GDP比率)は以下のとおり。
上の最悪シナリオ(バラマキ、デフレ、消費税5%)は民主政権のシナリオ。
真ん中の囲みはみんなの党シナリオ(歳出カット、脱デフレ、消費税5%)
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みん党の歳出削減シナリオでも、増税なしでは財政問題の解決はない。いずれにせよ、増税は必至っすよ。よしみも承知の通りw

ベスト・シナリオは歳出カット・脱デフレ・消費税12%なんですが。

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民主党がみん党と結ばずに公明と結んだら歳出削減シナリオはなく、また、デフレ脱却もないでしょう。
とりあえずは最悪シナリオ驀進中ということで、日本株は難しいっすw

管が22%と言ったのがリアルなら、彼が財政・税制を理解していないことを意味している。
日本の所得税は国際比較でも低すぎるし→租税負担率の内訳の国際比較、主な担税世帯である所得500-700万円世帯の税率は引き上げるべきだろう。

現下の財政赤字を消費税率の引き上げだけで解消しようという管の発想は、所得税率についての問題意識やビルトイン・スタビライザーの効果などについての見識が、彼には一切ないということ。財務官僚も驚くのは当然ですw
管は自分の無知を認め、広く意見を求めるべきだが、、、やっぱり自爆するタイプかなー

ここで見たとおりに日本の財政問題は十分に解決可能だと思うが、政治家がアホである限りデフレも財政も解決不能。残念ながらアホとそれに尻尾を振る犬が続くと想定するのがありうべきシナリオか。。。
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by guranobi | 2010-07-24 23:30 | 日本経済
2010年 07月 24日

日本財政のシナリオ ③ 歳出削減とバラマキ

もういちど歳出内訳のグラフを見てもらうと、社会保険費や国債費といった不可避の歳出以外のいわゆる裁量的歳出が小泉政権下で徹底的に減らされていることがわかるでしょう。歳出総額のGDP比は15-17%程度で変わらないけれど、その内情は社会保険費や国債費が増える一方で公共事業を始めとする裁量的歳出は小泉政権下で徹底的に削減されている。
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昨年衆議院選の民主党のキャッチフレーズの1つは”コンクリートから人へ”だったけれど、麻生政権の緊急経済対策を別にすれば、”コンクリートから”の部分は既に小泉政権でやっちゃっていたわけです。

だから、いざ政権をとってマニフェストを実行しようとしても財源がないのは当たり前。
H22年度予算では社会福祉費、地方交付税の1兆円増額、その他歳出といったバラマキは温存されている。
結局は”人へ”のバラマキしか残されていなかったのでしたw


中曽根・小泉といった本格政権が人気(支持率)を背景に歳出削減に取り組んだのに対して、自民短命政権はバラマキで票を買った。それと同様に、人気の無い小沢民主党はバラマキで票を買っているという意味では、自民短命政権と何ら変わるところはないのでは?

そしてその帰結は、、、ま、いずれわかるでしょう。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ちなみに、義務教育費国庫負担金から逆算すると義務教育(小・中学校)教員の給与は年間720万円程度です。結構高いなーと思ったんだけど、これもやっぱり中曽根・小泉政権下で削減されていたんですねw

デフレ下で官民格差が拡大しているのかと思っていたけれど、公務員もそれなりにデフレの痛みを受けているのかなーと思ったのでした。
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by guranobi | 2010-07-24 22:07 | 日本経済
2010年 07月 24日

日本財政のシナリオ ② 一般会計、歳入・歳出の動向

最初に過去の推移を振り返る。
ちなみに、特別会計には踏み込んでません。あれは、一般会計と税外収入が複雑に入り組んでいてど素人には扱えませんし、埋蔵金があっても基本的にはストックベースで一時的。
また、郵貯や簡保をはじめとする財投で数十兆から数百兆は”溶けて”いると思われる不良債権を無視して、含み益だけに眼を向けるのはフェアじゃない。政治的には正しい戦略かもしれませんが。

以下の資料などを参考にしましたが、難しいことはよくわからないので、データやグラフを拝借した程度です。
慶大:所得税の税収変動要因と税収調達能力の分析
森信・前川:わが国所得課税ベースのマクロ推計
跡田・橋本・前川・吉田:日本の所得課税を振り返る


一般会計の歳入と歳出の内訳。GDP比率。
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左図が歳入の内訳で、オレンジ色の折れ線は歳出、水色の折れ線は利払費を除く歳出。
水色の折れ線と面グラフの差が基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)となります。
S63年(1988年)に消費税が導入されたにもかかわらず、それ以降、税収等のGDP比率は低下を続けている。これは、消費税と相殺するように所得税が減少していることが一因。消費税導入時と3→5%引き上げ時に大幅な所得減税が行われた他、社会保険料負担の増加や恒常的なGDPギャップによる課税ベースの縮小、名目所得の減少に伴う”自然減収”などから所得税は減少した。現在、日本の所得税負担は他国と比較しても極めて低くなっている。

歳入面で重要なことは、税収等・税外収入を含めた歳入は、S30年代から概ね名目GDPの12-13%程度で推移しており、仮に今後デフレから脱却し経済が順調に成長したとしても、税制変更がない限りはこれを超えないと見込まれること。

これに対して右図は歳出の内訳。データの都合で、S40からです。
歳出はS45年あたりからGDP比率で上昇し、第1次オイルショック(S48)で歳入が急減したのちも拡大し続けた。S45→S58の上昇幅を見ると、社会保障関係費+1.8%p(うち社会保険費=年金・医療が+1.3%)、公共事業費+0.8%p、地方交付税+0.9%pとなっていて、福祉の充実とともにバラマキが本格化した角栄の時代。
これ以降の歳出のGDP比は上下はあれど、概ね15-18%程度の水準に収まってきた。それが麻生政権での2度の補正によって22%に急増し、民主政権のH22会計年度でも19%の水準にある。
H23年度についても、管政権は国債費を除く歳出を前年の71.7兆円に対して71兆円以下と、ほとんど減らさない(減らせない)状況なので、やはりGDP比19%に留まる。

ここで重要なのは、歳入が順調に回復しても12-13%なので、年間の財政赤字は6-7%程度となること。利払費のGDP比率は低金利が続くとしても現在の2.0%からじわじわと2.5%くらいまで上昇する程度なので、プライマリーバランス(PB)は3.5-5%。
すなわち、民主党のバラマキが続く限り、たとえ税収が回復しても(それはデフレ下では非常に難しい)、日本財政は着実に破綻に向かうわけ。

ちなみに、今の消費税収はGDP比2.0%程度なので、PB3.5-5%は消費税9-12.5%に相当→消費税率14-17.5%。
5%引き上げて10%にしても足りませんw

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さて、S40年代半ば以降、GDP比で膨らんだ歳出が減った時期が2つある。S50年代後半と、H10年代半ば。それぞれ中曽根政権と小泉政権という近年稀な長期政権です。

歳出GDP比の個別項目の推移を見てみる。
両政権ともに公共事業を始めとして、社会保険以外の社会保障関係費や文教科学振興費などの裁量的支出項目を幅広く削減している。

特に小泉政権下での一般会計の歳出削減は”凄まじい”。削減をまぬがれたのは社会保険費、生活保護費、住宅市街地対策費、国防費などのごく一部で、他は軒並み30-50%もの削減の憂き目に。三位一体改革にも拘らず地方交付税がほとんど減っていないのは意外だが。
項目移し替えといったテクニカルな要因もあるのかもしれないが、「増税してくれというまで削れ!」という小泉の言葉が怖いw
流石は酷薄宰相。

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by guranobi | 2010-07-24 21:42 | 日本経済
2010年 07月 24日

日本財政のシナリオ ①

菅、本当は「22%」だった
経済状況を無視し、財務官僚に踊らされて消費増税に突っ走る男。

昔、橋本、今は、、、と書こうと思いましたが既にあちこちで指摘されていますねw
まぁ、とりあえず続ける。

97年の橋本増税はまさに最悪のタイミングで行われた。
金融システム不安が解消せずそして94年からデフレ状況にあった中での増税は、国内需要を叩きつぶし、金融システム不安を深刻化させ、労働市場を崩壊させて賃下げが一般化し、自殺者数は3万人の大台を超え、デフレが本格的に日本経済に定着した。

そして、増税したのに債務は急増した。愚かな政治判断だった。
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今は97年ほどに金融システムは脆弱ではないが、一方でコアTier1比率をめぐるバーゼル合意が不透明ななか、特にメガバンを中心に貸し渋り激化の懸念材料となっている。みずほは、7500億円じゃ足りないっしょw
そして、デフレは97年よりもシビアで頑強にこびり付いている。

"無能を装う無能"の次には、知ったかぶりの無能が来たのか?たぶん、そうだろう。

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経済財政白書が発表されましたが、経済財政白書に限らず日本の白書では将来予測がほとんど提示されないのが残念。シナリオと割り切れば予測値を提示することはさほど難しくないはずだが?

なので、CAOならぬCBOを気取って財政動向のシナリオを作ってみました。
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by guranobi | 2010-07-24 18:03 | 日本経済
2010年 07月 09日

日本のタイヤ市場 ⑤ BSの製販一体戦略のウラ

BSはタイヤの製造と販売を一体となって行うことで、特に日本のタイヤ市場において圧倒的な支配力を持っている、と僕は考えている。他の国内タイヤメーカーも製販一体の体制を持っているが価格支配力はBSに及ばない。

BSの製販一体戦略とは、BSが言うような”お客様発想を全ての起点とした真の「垂直統合型販売ビジネスモデル」”などではなく、川下の小売市場の首根っこを抑えることで割高な小売価格を維持し、高いマージンを維持しようという、”古いタイプのビジネスモデル”だと思います。
インドネシア工場などで低価格品の生産体制を備えアジアン・タイヤに対抗しつつ、国内の小売・卸市場の過半を抑えて割高な価格設定を維持する。その高いマージンによって、国内事業の高収益性と国内の工場・雇用を守る。また、製品のラインナップを多様化しタイヤ価格の単純な比較を難しくすることで顧客の価格感応度を低く保つ。エコタイヤのラベリング制なども、顧客の国産品信仰を保つために有効。

実際、今の消費財製造業で製販一体が実現している製品はどれほどあるでしょうか?自動車くらいじゃないかなー。家電量販店の登場によって”ナショナルショップ”が存在意義を失い、家電メーカーの収益力が凋落したように、タイヤも製販一体は維持できないのではないだろうか?

タイヤって、品質差がそれほどに重要な製品でしょうか?
確かにタイヤは命に関わる部品なので、より良いものが望ましい。しかし、アジアン・タイヤと国内産の品質差は縮まってきている。
例えば、NHTSA:saferca.govでNexenなどのアジアン・タイヤとBSの品質と見比べると、BSの方が低かったりする。もちろん、長期間使用した後の性能など実際の品質は違うのかもしれないが、米国政府の公式レーティングではあまり差がなさそうだ。

走行中に突然破裂するといった粗悪品でない限り、タイヤって、磨り減ったら買い換えるという消耗品じゃないですか?

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もちろん、BSが高品質、高付加価値事業を国内に維持しようとしている姿勢は高く評価されるべきです。特に工場がある地域にとっては。

しかし、割高な価格で買わされている消費者の余剰は失われているわけだし、また、低価格品製造に特化させられているインドネシアなどは、本来はもっと高い所得と租税が得られただろう。マクロ的にはBSの製販一体戦略は機会利益を損なっている。残念ながら。

仏Michelinや米Cooperの資料によると、タイヤの製造コストのうち20-30%が人件費だそうです。
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Michelinの資料によれば、雇用の65%がProduction workersなんだそうで、まー製造コストの少なくとも20%が人件費と考えていいでしょう。日米欧などの高所得国から生産拠点をシフトするだけで、利益率を大幅に改善できます。実際に、Cooperは米国の生産拠点を次々に閉鎖し、中国へのシフトを続けています。

米中のタイヤ摩擦の根底には、中国メーカーによる低価格品輸出が急増した面も確かにあるのですが、Cooperをはじめとする米タイヤメーカーによる生産シフトも大きく影響しているのです。
それと同じことが日本で起きないと考える理由があるでしょうか?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

先に見たとおり、BSは系列店事業をテコ入れしようとしています。テコ入れというよりも、間接部門を簡素化したコスト削減策だと思いますが、当面は現在のビジネスモデルを続けるつもりのようです。

しかし、仮に系列店1店舗あたりの赤字額が1000万円程度だとすると、全1222店では100億円規模。すべてが直営ではないとしても、相当の赤字。これまでは国内の営業利益が1000億円を軽く超えていたので問題なかったわけですが、果たして維持していけるものか。。。

BSのビジネスモデルの恩恵を受けてきた企業の代表は他の国内タイヤメーカーですね。ただ、いつ倒産してもおかしくなさそうな東洋ゴムはBSの出資を受けたし、売りにくい。東洋ゴムは系列店が少ないし、ラインナップは増やせるしで、BSにとっては吸収するメリットはありそうなんですよね。

AutoBacksやYellowHatもBSの割高な価格設定の恩恵を受けているとおもいます。
カー用品店なんてAV製品は売れいないし、バッテリーやオイルなどの消耗品はホームセンターなどの量販店と競合するしで、経営が苦しいはずなのに、なぜか利益率が高い。直近の営業利益率は3-4%だし、営業CFは売上の6-8%も稼いでいる。売上の2割程度しかないタイヤの利益貢献度は大きいんじゃないかと。

だからね、BSのビジネスモデルが崩壊するまではタイヤ関連はしぶといというか、売りづらいと思うんですよね。
ただ、BSが割高な価格設定を維持するなら、海外タイヤの取扱などには成長余地が十分にあるんじゃないカナと思っているんです。
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by guranobi | 2010-07-09 23:58 | 日本経済
2010年 07月 09日

国内のタイヤ市場 ④ 国産タイヤは割高か?

BSが国内のタイヤ価格を割高に維持していると考える理由はいくつかあります。

まず、BSの国内事業の営業利益率が高すぎる、ということです。
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国内のタイヤメーカー4社とMichelinの営業利益率を比較するとBS、住友、Michelinには大きな差がないようにも見えますが、BSの国内事業の営業利益率だけを抜き出すと突出して高いのです。米国事業では全く差がないのに。

国内に高付加価値事業を集約しているとしても、この数値は高すぎると思う。なぜなら、Michelinの資料から判断すると、建設用、航空用事業の営業利益率が高まったのはエマージングでの需要が高まった2005年以降のはずなのに、それ以前からBSの国内事業の営業利益率は高いし、そもそも、自動車用タイヤに比べて建設用、航空用タイヤの市場規模は小さいからです。

日本国内の事業の営業利益率を他の製造業と比較すると以下のとおり。大手製造業の国内事業の営業利益率は、H10年代の平均は6%程度です。なので、ここで取り上げている製造業は(日本の中では)高収益なのですが、そのなかでもBSの収益性は高く、安定していた。
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H18.3期(2006.3期)以前では、BS以上に国内の営業利益率が高い大手製造業は少ない。任天堂や武田をのぞけば、Canonと花王くらいしかありません。まぁ、任天堂、武田が製造業なのかという疑問はありますが。 Canonのプリンターを使っていると、彼らの営業利益率が高いのは実感できますねw


また、個々のタイヤ価格を日米で比較しても、米国の方が安いんです。米Amazon.comと日本のkakaku.comで比較すると、BSの同一商品でも10-30%ほど日本のほうが高い(JPYUSD=90円として)。

まぁ、同一製品といってもトレッドの形状などが違うんですが、この日米価格差はおかしいと思う。
単純な価格差だけじゃなくて、米国で販売されているBSのタイヤは米国内で生産されているものもあるけれど、日本やアジアから輸入されているものも少なからずある。BSやMichealinの資料から判断すると輸送コストは売上の5-6%を占めるので、少なくとも米国での販売価格が高くないとおかしい。


また、2007年と古い記事ですが、米国のタイヤREP市場の状況も参考になる。
Which place sells cheapest tires?
この記事で示されているタイヤ小売価格は、(売上税と運送費を勘案して)小売店とネット販売で20%程度の差しかない(ネットが安い)。それに対して、日本のタイヤ小売価格はBSのメジャーな商品でも30-40%ほどネット販売価格の方が安い。物によっては半値以下というものもある。まー品質の差(経年劣化)もあるのでしょうが、kakaku.comに並んでいる安値価格には複数社が並んでいるので必ずしも粗悪品ばかりではないと思う。

日本での小売店とネット販売の価格差は大きすぎるんですよ。
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by guranobi | 2010-07-09 22:37 | 日本経済