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2011年 05月 17日

今更、原油とガスの欧米価格差について①

まったくもって今更ですがw、自分なりに理解しときたかったので。

最初に、価格差の動向から。

原油・・・WTI(US)とブレント(UK)のスプレッド(ともに1ヶ月先物)。期間は過去5年。
過去にもWTIとブレントのスプレッドが拡大したことはあるけど(07年5月など)、今回はそのスプレッドの大きさもさることながら、スプレッド拡大の期間が長期化していることに特徴があり、投機マネーや先物のロール・コストといった金融面の要因ではなく、構造的な変化が起きたことが背景にありそう。シルバー・ショック後もスプレッドは縮小していないし。
Bloomberg: 1st Month WTI Brent Spread
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次に、ブレントとドバイのスプレッド。同様に、期間5年。
恐らくはガソリンなどの軽質油・液体燃料の需要増加とリビア政変を反映して、2011年に入ってからブレントの価格はドバイに対して上昇しているが、せいぜい3-4ドル程度の上昇でしかなく、過去5年の水準と比較しても例外的に高いというわけじゃない。つまり、WTIとブレントの価格差の拡大は主にWTIの相対価格の下落によるものだと思われる。
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ガス・・・NBP(UK)とHenry Hub(US)のスプレッド。原油とは逆に欧州 - 米国なのに注意。こちらの期間はデータの制約から、1年。
INO.com: NBP Henry Hub basis swap, Jun 2011
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ガスが過去1年を通じて欧米間スプレッドが拡大していたのに対して、原油は今年に入って急速にスプレッドが拡大しています。

そもそも2-3年前までは、『カタールのLNG輸出が本格化し、ガスの取引市場が世界的に拡大するとともにガス価格が収斂し、原油のような一物一価が実現するのだ』と考えられていたはず。
だけど、今おきているのはガスの欧米間価格差の拡大。そして原油価格の欧米間スプレッドまでが拡大している。

convergence (収斂)のはずが、divergence (格差拡大)が起きている、という不思議。しかも、高度に統合されていると見做されていた原油市場までがdivergenceしている。

なぜ?

ど素人なりの結論は、原油・ガスともに、①市場の分断と②米国における生産急増(シェール革命)③欧州における資源枯渇、によるものだというものです。そして④スプレッドを決めるのは裁定コスト(輸送コスト)である、ということも似ている。
規模は全く違いますが。
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by guranobi | 2011-05-17 00:26 | energy


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