2010年 12月 28日

米国の中期経済見通し? 雇用・物価動向③・・・労働参加率

需要増加によってどの程度の雇用が生み出されるのか、そして失業率の推移はどうなるかを考えるためには労働参加率を考慮しなければなりません。

就業者数+失業者数=労働力人口
失業率=失業者数/労働力人口
労働参加率=労働力人口/人口

労働参加率は、(生産年齢)人口のうち労働市場に参入する意志を持った人の割合を示しています。
詳しい考察は、例えばサンフランシスコ連銀のレポートなどをご覧ください。
SF-Fed: Labor Force Participation and the Future Path of Unemployment
ロイター:景気後退で職失った人の求職再開が失業率低下ペースを左右=米SF地区連銀

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

米国の労働参加率を年齢階層別(5歳区分、男女計)で見たもの。年齢別に見ると、労働参加率には90年代からの趨勢が伺える。
①若年層の労働参加率が趨勢的に低下している。
②中年層の労働参加率も趨勢的に低下している。
③高年齢層の労働参加率は逆に上昇している。
b0165963_15384964.jpg


SF-Fedのレポートではティーンエージャーの労働参加率の低下は進学率の上昇(と在学者の就労率≒アルバイトの低下)によるものだとしている。しかし、恐らくは20代の労働参加率の低下も、そしてもしかしたら30代前半の労働参加率の低下の一部も進学率の上昇によるものだと思う。
特に16-34歳の男性の場合には進学率の説明力は有意に高い。女性の進学率の有意性は25歳以上のケースで低下するが、これは90年代半ばまで女性の社会進出が継続して高まっていたためじゃないかと思う。
ちなみに、ここで取り上げている”進学率”は正確には卒業率?(Earned Degrees)であり、ソースはStatistical Abstract of the United States。この数値には海外からの留学生が含まれている可能性があるが、それは気にしないw(たぶん留学生は含まないが、なんらかのデータの重複はあるかも)。
b0165963_169580.jpg

また、高齢者の労働参加率が上昇している理由については、SF-Fedのレポートは高齢者の体力の向上や年金受給額の引き上げ(受給開始年齢が遅いほど年間受給額が増加する=日本と同じ)、医療費負担の高まり、などを指摘している。だが、これらの要因以上に重要なのはIT化の進展ではないかと思う。なぜなら、60歳以上の全ての世代の労働参加率の上昇が90年代の半ばから始まっており、その後趨勢的に上昇を続けているから。IT化の進展によって体力は労働の制約とはならなくなり、あるいは在宅勤務を通じて労働供給が可能となれば通勤の難しさも制約とはならなくなるだろう。社会でPCやネットに触れてきた世代が高齢者になるとともに、高齢者の労働参加率の上昇傾向は続くだろうと考える。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

また、人口構成の高齢化そのものが米国全体での労働参加率の低下を引き起こしている。日本ほどではないが米国でも高齢化が進んでおり、目先はさらに進む見込み。そして、上昇傾向にあるとはいえ高齢者の労働参加率は中年層のそれよりも低いため、高齢化が進むほどに労働参加率は低下する。
b0165963_17225931.jpg

詳しい説明は省くけど、年齢別の労働参加率を2007年時点の数値に固定したり、労働参加率と人口構成の変化を累積したりして高齢化による労働参加率の低下を計測すると、92年から10年までの期間で▲1.5%pほどになる。また、今回の景気後退に相当する07年末から10年までの労働参加率の低下▲1.5%pのうち、▲0.5%pほどが高齢化によるものと計測される。今後は高齢化が幾分加速することもあって、年間▲0.2%pほど労働参加率は趨勢的に低下する(景気変動要因を除く)。
b0165963_17265250.jpg


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

さらに詳しい説明は省くけどw、性別・年齢階層別の労働参加率を失業率、進学率、男女の賃金格差、95年屈折パターンのトレンド、実質最低賃金を使って推計し、その延長をナメナメ修正を加えて、全体の労働参加率を求めるとこんな感じに。
b0165963_1993346.jpg

こいつをもとに失業率を計算して、最初の賃金上昇率の加速度との相関に繋げたという訳っす。

なんか、、、無駄な努力な気がしてきた。。。
[PR]

by guranobi | 2010-12-28 17:30 | 米国


<< 米国の中期経済見通し? 雇用・...      米国の中期経済見通し? 雇用・... >>