2010年 07月 09日
BSが国内のタイヤ価格を割高に維持していると考える理由はいくつかあります。 まず、BSの国内事業の営業利益率が高すぎる、ということです。 国内のタイヤメーカー4社とMichelinの営業利益率を比較するとBS、住友、Michelinには大きな差がないようにも見えますが、BSの国内事業の営業利益率だけを抜き出すと突出して高いのです。米国事業では全く差がないのに。 国内に高付加価値事業を集約しているとしても、この数値は高すぎると思う。なぜなら、Michelinの資料から判断すると、建設用、航空用事業の営業利益率が高まったのはエマージングでの需要が高まった2005年以降のはずなのに、それ以前からBSの国内事業の営業利益率は高いし、そもそも、自動車用タイヤに比べて建設用、航空用タイヤの市場規模は小さいからです。 日本国内の事業の営業利益率を他の製造業と比較すると以下のとおり。大手製造業の国内事業の営業利益率は、H10年代の平均は6%程度です。なので、ここで取り上げている製造業は(日本の中では)高収益なのですが、そのなかでもBSの収益性は高く、安定していた。 H18.3期(2006.3期)以前では、BS以上に国内の営業利益率が高い大手製造業は少ない。任天堂や武田をのぞけば、Canonと花王くらいしかありません。まぁ、任天堂、武田が製造業なのかという疑問はありますが。 Canonのプリンターを使っていると、彼らの営業利益率が高いのは実感できますねw また、個々のタイヤ価格を日米で比較しても、米国の方が安いんです。米Amazon.comと日本のkakaku.comで比較すると、BSの同一商品でも10-30%ほど日本のほうが高い(JPYUSD=90円として)。 まぁ、同一製品といってもトレッドの形状などが違うんですが、この日米価格差はおかしいと思う。 単純な価格差だけじゃなくて、米国で販売されているBSのタイヤは米国内で生産されているものもあるけれど、日本やアジアから輸入されているものも少なからずある。BSやMichealinの資料から判断すると輸送コストは売上の5-6%を占めるので、少なくとも米国での販売価格が高くないとおかしい。 また、2007年と古い記事ですが、米国のタイヤREP市場の状況も参考になる。 Which place sells cheapest tires? この記事で示されているタイヤ小売価格は、(売上税と運送費を勘案して)小売店とネット販売で20%程度の差しかない(ネットが安い)。それに対して、日本のタイヤ小売価格はBSのメジャーな商品でも30-40%ほどネット販売価格の方が安い。物によっては半値以下というものもある。まー品質の差(経年劣化)もあるのでしょうが、kakaku.comに並んでいる安値価格には複数社が並んでいるので必ずしも粗悪品ばかりではないと思う。 日本での小売店とネット販売の価格差は大きすぎるんですよ。
by guranobi
| 2010-07-09 22:37
| 日本経済
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