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グラの相場見通し

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2009年 03月 18日

銀行自己資本に関して

REUTER: 〔アングル〕日銀のTier2支援策、大手行の調達余力は限界との見方も

REUTER: 〔焦点〕銀行自己資本に「景気循環増幅効果」が追い打ち、国際金融の重要テーマに

銀行の自己資本が株価下落や景気後退の影響で毀損している。。。って、そんなことは10月の段階で分かり切っていたことだ。予防的利上げは喜んでやるくせに、予防的?利下げ、金融緩和にはとことん抵抗し、経済がメタメタになってから嫌々、小出しにする。

日銀の劣後ローン引き受けは一定の効果を上げるかもしれないが、プラス効果というよりもマイナスの影響を多少緩和する程度だろう。
長期国債買い入れの増額も、日銀にとっては既定路線。そもそも12月の段階で月+2000億円が少なすぎるわけで、もっと大幅な買い入れを行っておくべきだった。今回の+4000億円も、必要とされる経済対策の規模(20-30兆円、月あたり1.6-2.5兆円)の半分にも及ばない。

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それはさておき、プロシクリカリティ抑制施策というのは興味深い。好況時の所要自己資本比率を高め、不況時には下げる、と。

だけど、景況判断をなにに基づいて行うのかなー。
GDPギャップでは不確定要素が大きいだろう(構造的摩擦的失業率の正確な算定が難しいため)。日銀が予防的利上げの口実に使ったように、実際はGDPギャップがマイナスでも、自己資本比率が引き上げられ、貸し渋りを助長することも十分にあり得ることだ。日銀は予防的利上げを補完するために、この制度を悪用するかもしれない。てか、きっとそうすると思うw

米不動産バブルに苦しむ今の状況では、CPIなどの物価指標を参考にするとも思えないし。

景況判断が遅れると、「低金利の長期化の弊害」とやらと同様に、景気が過熱してきているのに貸出が加熱したり、逆に不況が始まっている段階で貸し渋りを助長したりと、かえって景気サイクルの振幅を大きくするだろう。プロシクリカリティの助長にw
その点は、アホな金融政策の弊害と同じ。

参考
大和総研: 共同監視制度による国際金融システムの安定と多国籍金融機関のビジネスモデルの再構築
第一生命経済研究所: 銀行のプロシクリカリティ問題

by guranobi | 2009-03-18 13:36 | 金融規制


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